フランス便り
レンヌ在住の日本茶インストラクター 菅原智美さんのリポート
今回は、レンヌ市で毎年3月にやっている世界の女性をテーマにしたイベントでし た。その中で「日本の紹介」のような形での参加でした。他国の紹介では、ブラジルの方たちのダンスや、中国の方たちの民族衣装の紹介がありました。日本か らは、「お茶」を知っていただこうということで「煎茶」と「抹茶」それぞれを実際に入れるところを見ていただき、試飲もしていただきました。日本茶=茶道 =禅!!!のようなイメージの方々がとても多く、日本人が日常的に飲んでいるお茶と茶道である抹茶を一時に見てもらい、その違いを知っていただきました。
イベントの看板です。世界中の女性の自由、平等、団結がテーマ。 | |
ここ最近、パリでは煎茶を飲む方が増えているということも聞きますし、日本茶カフェなどもできています。しかし、日本のように東京で流行っているも のがすぐにテレビや雑誌でとりあげられ、地方に住んでいたとしてもそれがほぼ同じ時期に流行るというようなことはフランスではありません。なので、パリか らTGVで2時間の比較的大きな都市であるレンヌでも、本当の日本茶を知っている方は意外と少なく、多くの人がいろいろな意味で誤解をしているようです。
お茶屋さんに売っている緑茶は、ほとんど中国産のもので、保存の仕方も悪いのか、とても美味しいとは言えません。スーパーなどでも、今ではコーヒーコー ナーよりお茶コーナーの方が大きいほどで、フランス人がコーヒー党からお茶党に変わっていることが伺えますが、ほぼ紅茶と中国やベトナムなどの緑茶で、そ れもほとんどがフレーバードティーです。「日本茶は体にいいと聞いたことがあって、毎日飲んでいる」というフランス人も、よくよく聞いてみるとそれは中国 緑茶だったりします。
盛んにPRしたとしても、なかなか買える店がないというのも厳しい現状です。 でも、一回でも多くこのような機会をつくって、日本茶を知っていただくことは 大切なPR活動だと思いますし、地道にやっていけたらいいなと思っています。
(インストラクター5期 菅原 智美)